車いす仲間で行ってみた!日帰り東京観光ツアー[準備編]

この夏,本格始動した【ベィLABO】。

ユーザーの体験談を元に
外出に役立つ情報をお届けします!

今回も茨城県の車いすユーザー
斎藤さん・海老沢さんからの情報です。

ユーザー同士での日帰り東京観光。

自ら企画・運営されたときの体験談を
2回に分けてお届けします。

↓当日編もCheck↓

車いす仲間で行ってみた!日帰り東京観光ツアー[当日編]

 

 

今回は[準備編]をどうぞ!

ライター情報

・名前:斎藤 典子・海老沢 正雄

・障害名:脊髄梗塞(Th11/完全麻痺)・脊髄損傷(胸腰椎骨折・対麻痺)

・車いすユーザー歴:5年・5年

車いす仲間と日帰り東京

日帰り東京観光ツアーへ

昨年,入院仲間同士で東京日帰り観光に行きました。

複数の車いすユーザーでの旅行は不安も多くありましたが、
とても楽しい時間を過ごすことができました。

今回は,旅行の幹事として準備したことや
悩んだことをまとめました。

 

旅行のきっかけ

 

この企画は、ベィmagazine を目にしたことから始まりました。

自分(海老沢)の場合は、車いす自走で車も運転できて自由に行動できる。
しかし、介助者がいないと行動できない方もいます。

そんな方から「どこかにでかけてみたい!」との声を聞き
皆さんの役にたてるなら企画してみようと思いました。

入院仲間の斎藤に話をしたところ共感して頂き、実行する事に。

家族と自家用車で旅行に出かけたことはありましたが、
車いすユーザー同士での外出は経験がなく、
最初は何から準備して良いのかがわかりませんでした。

その時、旅行の経験者から貸切バスの情報を聞き、
バス会社に問い合わせてみることにしました。

事前準備[バス会社との交渉]

 

知人からの情報で、茨城県稲敷市にある
さくら自動車株式会社(さくらツーリスト)”さんに
連絡を取りました。

こちらは貸切観光の他に
養護学校の送迎サービスも行っています。

※注※
自社ツアーは実施していません。
旅行の相談には親身に乗ってくださります。

まずは,気になっていた貸切バス。
リフター付きで
車いすのまま最大6人乗ることができます。

↓実際に使用している様子↓

バスのリフターを使用している様子3 バスのリフターを使用している様子2   車いすの固定の様子

さらに,トランクに5〜6台分の車いすが収納できます。

バス会社との事前打ち合わせでは

  • 旅行日程
  • バスの乗降場所(無料で駐車しておける場所との交渉)
  • スケジュール(出発時間や帰宅時間)
  • 行先(観光地や昼食場所)

を相談しました。

旅行日は皆さんの事を考え、涼しくなる 9 月にしました。
初めての企画のため、行先は近場の浅草に決めました。

昼食は、自由行動より落ち着いて食べる場所を希望しました。
後日電話で食事のメニューパンフレットを送付していただき、手ごろなものを指定しました。
その後の連絡予約などもバス会社にお願いしました。
アレルギーのある方は本人に直接連絡してもらいメニュー調整してもらいました。

 

事前準備[参加者集め]

 

参加者集めは一番難渋しました。
定員オーバーだとバスの台数が増え旅費がかかり
少なすぎると 1 人当たりの負担が増えるからです。

車いすが6台分乗せられることを知り、仲間集めを始めました。

車いすユーザー               11人
— 車いすのままバス乗車    6人
— 車いす持ち込み             5人

  • 介助者                       15人
    ー 家族                          5人
    ー ボランティア              10人
    (医者1人、介護補助1人、保育士6人、一般2人)

計26人

参加者は海老沢の入院仲間を中心に選びました。
さらに、斎藤が外来受診で出会った方に声をかけて仲間作りをしました。

外来では、同じ車いすの方々を見かけると
「なぜこのような状態になったのか」聞きたい方がいっぱい。

その中でおしゃべり友達になった方に
旅行計画を伝えるとすぐに乗ってきてくれました。

介助者は、まず
『どのくらいの方が、家族で参加してもらえるか』
を聞き取りました。

すると

  • 高齢の連れ合いは一緒に付き添うのが大変
  • 働き盛りの連れ合いは仕事を休ませづらいので、一人で参加する

との声も聞かれたため、さらに介助者が必要と分かりました。

介助者は斎藤の仕事仲間、友人、病院の職員に相談しました。
皆さん、快く応じてくれました(仕事を休んで参加してくれた方も)。

ボランティアは未経験の皆さんでしたが、介護職の方が多く、安心してお願いしました。

 

参加料金

 

スカイツリーでの集合写真

事前にバス会社さんから旅費の見積もりを出していただきました。

本当は参加者ごとに経費が異なるのですが、
ボランティアの方の負担も軽減したかったので
私たちはバス代や旅行保険代を含めた全ての経費を
全員で折半することにしました。

旅行にかかった費用は以下の通りです。

バス料金 貸切バス(1台) 140,400円
乗務員諸経費 2,400円
有料道路 11,440円
駐車代 5,890円
水上バス 乗車料(手帳保持者・介助者) 430円
乗車料(一般) 774円
昼食
(浅草ビューホテル)
お弁当(一人前) 2,970円
スカイツリー 入場料(手帳保持者・介助者) 850円
入場料(一般) 1,700円
保険 旅行傷害保険(一人分) 250円

これらを折半すると、一人あたり10,675円になりました
(自由行動中の買い物や土産代は別途)。

費用は事前に参加者に連絡しておき
当日のバスの中で集金しました。

 

幹事の感想

 

[良かったこと]

  • 天候もよく、時間の調整もよかった。
  • 参加者全員怪我もなく体調も良く楽しんでもらえてよかった。
  • バス会社の方々がとても親切で楽しませてくれてありがたかった。
  • ボランティアの方が、とても馴染みやすく誰とでも声をけてくれて、親切な対応をしていただけて良かった。
  • 汗だくになりながら、車いすの昇降設置を運転手さんがやってくださりお世話になりました。

 

[反省]

  • 付き添いなしの方には、ボランティアの方には付きっ切りでお付き合いしてもらったので、その方の分も出してもらえるように今後したい。
  • 料金が心配。皆さんどのくらいなら出費できるのか?
  • ボランティアの方へのお礼を考える余裕がなかった。

 

約3か月前から準備を始め打ち合わせを重ねました。
計画で大変だったことは乗降場所や介助者の確保です。
今回は知人が喜んでボランティアをしてくれたため、とても安心しました。

また他の幹事やバス会社との情報のやりとりも大変でした。
「バス代の料金が高いかな?」などと気になることもありました。

「雨が降ったらどうしよう」と心配しながら当日を迎えましたが、
良い天気で計画通りのスケジュールで大成功でした。

この旅行で、様々な身体状態の方と行動する事ができ、
自分にとってもかなりプラスになったのは言うまでもありません。

また健常者で参加してくれた友人から、
「大勢の障害者と行動する事など普段は有り得ないので、勉強になりました。」
と感謝されました。

こういった事をきっかけに、健常者にも障害者の気持ちが少しでも伝わってもらえたら嬉しいです。

最後に、今回の障害者、健常者交流旅行に参加して頂きました皆様、ご協力ありがとうござ いました。

 

[店舗情報]

さくら自動車株式会社

住所:〒300-0414 茨城県稲敷郡美浦村信太原2869-1
電話:029-885-3485

営業時間:月〜土(祝祭日除く) 9:00~18:00
※自社ツアーの実施はなし

HP:https://www.sakura-jidosha.jp/

※価格や店舗情報は掲載時のものです。
ご了承ください。

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